INDOPEPSHYCHICSから紡がれた日本のエレクトロニック・ミュージックの一端 No.6 「AOKI tamakasa 2」

前回の<「SILICOM」(2/2)~「AOKI tamakasa」>では、SILICOMの出演した2001年のイベントから、高木正勝のソロ・アーティストとしての活動に伴いSILICOMが自然解散のような形で活動に終止符が打たれた事、SILICOMで音楽担当であったAOKI takamasaの1stアルバム「SILICOM」からリリースされた2枚の12inchを中心に紹介しました。

 

 

 

今回はAOKI takamasaの2ndアルバム「SILICOM two」をベースに紹介したいと思います。

Cat No.: PFCD02

Artist: AOKI takamasa http://www.aokitakamasa.com/

Title: Silicom Two

Release Date: 2002.2.20

Tracklisting: 

01. ope.

02. remo.

03. monc.

04. mry.

05. sorc.

06. nod.

07. pimo.

08. stdt.

09. sluc.

10. worb.

11. neuger.

Mastering : Masato Morisaki at Saidera Mastering

1stアルバムより1年、あらたに提示された本作は、青木孝允のメタ・テクノ的なアプローチが、デビュー作以上に過激に全面展開された傑作である。

息もつかせぬ展開、また各楽曲における完成度、構成力の素晴らしさは近年な様々なエレクトロニクス・ミュージックの中でも特筆すべきものがある。

https://www.discogs.com/release/53621-AOKI-Takamasa-Silicom-Two

全曲視聴: https://progressiveform.bandcamp.com/album/aoki-takamasa-silicom-two-pfcd02

 

  

PROGRESSIVE FOrMでは本作「SILICOM two」からPFCD20のNgatariまで、当時Saidera Masteringでオノ セイゲン氏の片腕としてマスタリングを担当されていたエンジニアの森﨑 雅人氏に暫くお世話になりました。

 

また同名「SILICOM two」のDVD版では、2nd CDアルバム「SILICOM two」から「01. ope.」「03. monc.」「04. mry.」「08. stdt.」に加え、1st CDアルバム「SILICOM」から「01. Std.」「05. Exp.2」「06. Exp.」の3曲がオーディオ・ビジュアル作品となって収録されています。

Cat No.: PFDV02 (DVD)

Artist: SILICOM

Title: SILICOM two

Release Date: 2002.1.25

Tracklisting: 

1. Ope.

2. Monc.

3. Stdt.

4. Mry.

5. Exp.

6. Exp.2

7. Std.

8. Silicom Live

Film Director: Takagi Masakatsu 

Music: AOKI Takamasa

青木孝允と高木正勝によるSILICOMの2作目にして最後の作品。青木の1stアルバム『SILICOM』と2ndアルバム『SILICOM two』からの楽曲の高木が映像を付け、最後には当時のSILICOMの貴重なライブが33分収録された。「Mry.」における高木の映像は特筆すべき素晴らしい出来である。

https://www.discogs.com/release/587921-Silicom-Silicom-Two

 

なお2nd CDアルバム「SILICOM two」から12inchは切りませんでした、確かに今聴きなおしてフロアライクと良いよりかはボームリスニングタイプの楽曲が大半なのもあって切らなかったんだろうなと推測します。

 

それではアルバム「SILICOM two」を聴いてみましょう。

01. ope. 

アルバムのオープニングを飾る小曲ですが、もし本曲に高木が付けた映像版を見る機会があれば是非ご覧下さい。

Ryoji Ikeda(池田亮二)ばりの電子の連続音に映像が重なり、SILICOMのライブでもオープニングでかましてましたが、当時新宿のLIQUIDROOMで爆音の電子音と大きなスクリーンで透明された高速の映像が流れた瞬間会場は凄く盛り上がりを見せていました。

03. monc.

この時期のAOKI takamasaを象徴するかのような1曲で、キックで引っ張りつつ他のリズム要素も複雑に絡み合い構成/進行していくが、いき過ぎずにキチっとグルーヴを保っているのが素晴らしいし彼の良さだと思います。

4. Mry. 

1st「SILICOM」に比べるとやや内省的な香りがある2nd「SILICOM two」にあって有機的な質感やスペイシーさも感じさせる本曲、この「Mry.」に付けた高木の映像も素晴らしく、DVD版「SILICOM two」のジャケ写にも使用した素材ですが、素材を回転させるこの映像を機会があれば是非見て欲しい。

 

この文章を書きながら昔の資料を探していたところ、めっちゃレアなフライヤーを発見しました!

田中フミヤ、石野卓球、Co-Fusion、Shufflemasterが出演した25年前、2000~2001の新宿リキッドルームで開催されたNEW YEAR’S PARTY(カウントダウンイベント)で、高木正勝をVJをし、デザインに「Mry.」を素材を使ったフライヤー。

もう1枚!冒頭にも載せましたが、2000年10月21日(土)@新宿リキッドルーム、MAD PROFRSSORとLE PETIT ORBメインアクトにを迎えた「world famous FINAL」に、SILICOMが出演し、高木正勝が「SILICOM」の素材でフライヤーも作っていました!

そして「SILICOM」と「SILICOM two」のフライヤーも出て来ました。

 

 

さて話しを「SILICOM two」がリリースされた2002年に戻します。

この年、「先進音楽とマルチメディア・アートのフェスティバル」としてバルセロナで1994年に始まったソナー(Sónar)にPROGRESSIVE FOrMがレーベルshowcaseとして出演する事が決まっていました。

Concerts & DJsの4行目に「DJ Kensei & Aoki Takamasa play Progressive Form」として記載されています。

https://sonar.es/en/about/previous-editions/2002

当時のソナーへの出演は前年くらいからのエントリーになっていたのですが、同時にこれには伏線があり、その2年前の2000年に初めて当時のクルー6~7人でソナーに参加しました。

DJ KenseiとChoo Choo TRAINで有名なZOOのCap坂井氏、他に当時渋谷のManhattan Recordsでエレクトロニカやテクノを取り扱っていたお店の人、それに通訳兼でP-Vineなどで仕事をしていた日高健介氏もいました、他は全く思い出せない。アムステルダムから入り、バルセロナでソナーに参加し、ウィーンで日高君の知人のオーストラリア人の方にお世話になった記憶。ソナーでは初めてAphex Twin本人を見掛けました。

そして翌年の2001年にも確かAOKI takamasa君や当時のPROGRESSIVE FOrMまわりのアーティスト何人かで行った記憶で、パリに住んでいた青木の友人の河村ユウキ君宅にお世話になったと思います、パリからバルセロナに向かいました。

その2回のソナーに行った事でソナーの担当者と知り合い、エントリーをして幸いにも2002年にshowcaseとして参加する事が出来たのです。

2002年は日本人だと他にDJ KrushさんとHiroshi Watanabe君も参加していました。

但し、流石に23年前の事なので覚えていませんが、何がしかの理由でDJ Kenseiがソナーに行かない事になりました。

結果、PROGRESSIVE FOrMのレーベルshowcaseの持ち時間の前半では僕がDJをし、後半に青木君(AOKI takamasa)がLiveで出演しました。

青木のライブは最初電子音から導入しつつ、徐々にビートなどを聴かせ盛り上がりを作っていき、中盤からは踊る欧米の方も増え、ライブ終了と共に拍手喝采だった事を覚えています。

この頃には青木はソロのライブでかなりオファーがあり、その1つ。

2000年にローマで始まったDISSONANZEという新しいデジタルアートと電子音楽のフェスティバルがあり、見ると今年25周年で先月の2025年9月20日(土)~21日(日)に開催されていますね。

そのDISSONANZEからオファーを受け、2002年9月14日にローマ市内のローマ建築を彷彿とさせるような建築物の中で、当時でAOKI takamasaのベストに近いライブパフォーマンスを彼は行いました。

この時もライブ終了と同時に拍手喝采!

https://www.setlist.fm/setlist/aoki-takamasa/2002/chiostro-del-bramante-rome-italy-3bbe60a4.html

またこの頃には、その年2002年の12月17日リリースとなった3rdアルバムであり傑作との呼び声も高かった「indigo rose」からの楽曲もライブのセットリストに入っていました。

Cat No.: PFCD05

Artist: AOKI takamasa

Title:  indigo rose https://amzn.to/4a4EUem

Release Date: 2002.12.17

次回の第7回目では、AOKI takamasaの3rdアルバム「indigo rose」を中心に、初期のPROGRESSIVE FOrMを彩った他のアーティストの作品などにも触れてみたいと思います。

2025/10/24 nik c/o PROGRESSIVE FOrM

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この記事を書いた人

東京出身。PROGRESSIVE FOrMレーベル主宰/エージェントなど。
訪問した国は南北アメリカ大陸10カ国、ヨーロッパ8カ国、アジア圏3カ国。
1993年にDJ Kenseiと、1994年に土井さん(後のD.O.I. ※D.O.I.という書き方は僕が提案)と出会い、1995年に音楽プロデュースユニットINDOPEPSYCHICS(インドープサイキックス)結成。
1996年のキングギドラ「行方不明」のリミックスを皮切りに、SHAKKAZOMBIE「手のひらを太陽に〜ACROSS THE 20 MIX〜」他の多くのHip Hop作品から、Sunaga T Experience「Gemini IV / V Space Nova!」、UNKLE「THE KNOCK (INDOPEPSYCHICS REMIX)」などインスト作品なども幅広く手掛けつつ、2000年にPROGRESSIVE FOrMを立ち上げる。
DJ Kenseiとも繋がりが深かった京都のDJ Kazumaから新しい才能と京都外国語大学で活動していた青木 孝允(AOKI takamasa)と高木正勝によるユニット<SILICOM>と出会い、2001年にPROGRESSIVE FOrMよりAOKI takamasa 1stアルバム「SILICOM」とSILICOM「SILICOM」DVDをリリース。
2002年にはINDOPEPSYCHICSのHip Hopやビート主体の初期作品「Meckish / Nittioatta.Nittionio」とエレクトロニカなど後期作品をまとめた「Leiwand」をリリース。
移行、半野喜弘、杉本佳一によりVegpher、Fugenn & The White Elephantsなど才能溢れるアーティストの作品をリリース。
2002年6月にバルセロナsonarにてレーベル・ショーケース、11月に六本木ヒルズTHINK ZONEにて初のレーベル・イヴェント"Voyage"を開催。2003〜2004年にはDaisyworld Discsとイヴェント"audio forma"を開催、2004/2006年にsonarsound tokyoを共同開催。
2011年6月にレーベル10周年イベントを恵比寿LIQUIDROOMで開催し1000名を超える集客を記録。
そして2020年10月にレーベルとして100枚目のアルバムninomiya tatsuki『scat』PFCD100をリリース。
2024年9月18日に2000年代以降の電子音響を支えて来た1人と言えるTAEJI Sawai唯一のアルバム「AS PLANETARY DREAMS」PFCD112をリリース。


2004〜2008年はフルでTOWA TEIのマネージャーを担当。
2013〜2015年には「EMAF TOKYO」を主宰、ヤン富田、Fennesz、Carsten Nicolaiをはじめ数多くのアーティストを招聘。
細野晴臣氏のマネージャーを長く務められた故東氏が主催された「De La FANTASIA」ではcyclo.-Ryoji Ikeda+Carsten Nicolai-やTOWA TEI他をブッキング。
2014年12月のLIQUIDROOM公演でJamie xxを招聘、2015年9月にFenneszの代官山UNIT公演を主催。


Bajune Tobetaのエージェントとしても数多くの作品に関わり、2010年1月13日に発売されたのアルバム「Africna Mode」では多くの楽曲の制作をサポート、2015年の「TOKYO GALAXY」ではArto Lindsayをブッキング、2021年9月にリリースされたbajune Tobeta「すばらしい新世界 〜RELAX WORLD〜」ではChara、Mummy-D、堂珍嘉邦(CHEMISTRY)、坂本龍一によるアントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュート盤「CASA」で共演しジョビンのバックを務めていたモレレンバウン夫妻をブッキング。

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