「PROGRESSIVE FOrMの1st seasonとも言える2004年までのリリースとdaisyworldとのイベント２」INDOPEPSHYCHICSから紡がれた日本のエレクトロニック・ミュージックの一端 No.10

そしてもう１作、当時ドイツ・ドルトムントを拠点に注目を集め始めていたプロデューサーNils Quakのアルバムをリリース。

Cat No.: PFCD09
Artist: nq
Title: recording syntax
Release Date: 2003.11.13

Tracklisting:
01. tr1an
02. panel
03. nhls
04. disthant
05. PIEhR
06. juri
07. dahr
08. rost
09. 05|04|03
10. sink

Written and Produced : nils quak
Mastering : Masato Morisaki at Saidera Mastering
Artwork : Takeaki Katoh

Kitty-Yo、Neo Ouijaからのリリースでも注目を浴びているNils Quakによる初期傑作アルバム。
「ポスト・テクノロジカル・ミュージックの新局面を垣間見せる、エレガントでスリリングなサウンド。”nq”ことニルス・クアック、この名前は覚えておいた方がいい！ by 佐々木 敦 (HEADZ)」
https://www.discogs.com/ja/release/460342-NQ-Recording-Syntax
https://www.amazon.co.jp/recording-syntax-nq/dp/B003UM7EKO
全曲視聴：https://progressiveform.bandcamp.com/album/nq-recording-syntax-pfcd09

「07. dahr」は2025年の今改めて聴いても耽美で美しい音世界を展開させているのが分かります。
https://www.youtube.com/watch?v=ybvWpH4g9K0
　

そしてこれは私事で恐縮ではあるのですが、当時の僕にとってはある意味分岐点とも言える2004年を迎えます。

前回のN0.9で触れたイベント「audio forma」で２名、Ryoichi Kurokawaとeaterが名前の後に付ける所属レーベルに（daisyworld discs/PROGRESSIVE FOrM）という記載をした事や、青木や半野さんが細野さんとも親交もあり、この2003年当時についてはdaisyworld discsとPROGRESSIVE FOrMの音楽的方向性に類似点もあったであろう事から、おそらく2003年の秋か冬頃だったと思います、大変お世話になっていた細野さんのマネージャーであった東さんに、その時点でPFCD01～PFCD09と９枚リリースしていたアルバムから、細野さんチョイスで選曲頂き、ミックス物を作って頂けないか？と相談し、奇跡的にも形になったのが2004年4月10日リリースとなりレーベルだとちょうど10作目に当たるPFCD10の「MIX FORM” Mixed by Haruomi Hosono」です。

Cat No.: PFCD10
Artist: Various Artists
Title: MIX FORM” Mixed by Haruomi Hosono
Release Date: 2004.4.10
https://www.discogs.com/ja/release/326389-Haruomi-Hosono-Mix-Form

ーPROGRESSIVE FOrMよりリリースされた音源をミックスした細野晴臣初のミックスCDー

Tracklisting:
01. Ryoichi Kurokawa “everything you can see through a little hole” from PFCD06 (copynature) track#02
02. Haruomi Hosono “mixed form #1” material taken from Ryoichi Kurokawa “OOL” from PFCD06 (copynature) track#03, Yoshihiro Hanno “dub” track#01 and “square” track#08 from PFCD04 (9 modules.+)
03. Haruomi Hosono  “mixed form #2” material taken from AOKI takamasa “Dear People” from PFCD05 (indigo rose) track#02, Yoshihiro Hanno “square” track#08 and “dub” track#01 from PFCD04 (9 modules.+)
04. Yoshihiro Hanno “oval” from PFCD04 (9 modules.+) track#09
05. static “examples are but suggestions” from PFCD08 (FORMA. 2.03) track#02
06. clickety and clack “pine” from PFCD03 (FORMA. 1.02) track#07 and Nao Tokui “Pine Ave” from PFCD07 (MIND THE GAP) track#07
07. Nao Tokui “Pan Pacific” from PFCD07 (MIND THE GAP) track#02
08. Nao Tokui “Ms. Cherry” from PFCD07 (MIND THE GAP) track#08
09. AOKI takamasa “mry.” from PFCD02 (SILICOM two) track#04
10. Yoshihiro Hanno “s.e.q” from PFCD04 (9 modules.+) track#02
11. AOKI takamasa “sorc.” from PFCD02 (SILICOM two) track#05
12. AOKI takamasa “neuger.” from PFCD02 (SILICOM two) track#11
13. Process “nexus” from PFCD08 (FORMA. 2.03) track#06
14. Sounguarehouse “ah eh ee” from PFCD03 (FORMA. 1.02) track#02
15. 30506 “vvv” from PFCD03 (FORMA. 1.02) track#10
16. Yoshihiro Hanno “6” from PFCD04 (9 modules.+) track#06
17. AOKI takamasa “pimo” from PFCD02 (SILICOM two) track#07

通し視聴：https://www.youtube.com/watch?v=nNhPPPW4jI0&t=66s
１曲毎視聴：https://progressiveform.bandcamp.com/album/v-a-mix-form-mixed-by-haruomi-hosono-pfcd10

Mixed and Recorded by Haruomi Hosono at Quiet Lodge TYO, 15th Feb. 2004
Haruomi Hosono appears courtesy by daisyworld discs*
Mastered at KIM KEN STUDIO
Artwork by Takeaki Katoh
Production management by Eiichi Azuma* daisyworld discs
Thanks to Hiroshi Haraguchi and Yuichi Ishikura* cutting edge

この作品は当時のエレクトロニカ及び界隈のサウンドという背景を元になされた実験音楽の１つの形といった内容です。その上でもしご興味あれば、当時の空気感を思い起こしながら、また空想しながら視聴頂けると幸いです。

ところでこの「MIX FORM” Mixed by Haruomi Hosono」をリリースした2004年4月10日頃、正確な日程は記録がないのですが、上述の東さんから相談がありました。
「長らく吉本興業に籍を置いていたテイさん（テイ・トウワ／TOWA TEI）が吉本を離れるにあたり、吉本在籍時にテイさんのマネージャーをされていた方も自動的にマネージャーではなくなる為、新しいマネージャーを探しているようなんだけど、nikやらない？」という内容でした。
数日後、とある日の夜に中目の居酒屋で、テイさん、当時所属されていたAVEXの担当の岡田さん、東さん、そして僕の４人で会食。
結果、2008年まで５年弱、テイさんのマネージャーを務める事になり、本連載No.10のタイトルでも記したように振り返って漸く分かる事となりましたが、2004年にリリースされた残り２つのアルバムをもって＜PROGRESSIVE FOrMの1st season＞が一区切りする事になります。
レーベル運営とマネージャー/マネジメント業はある意味共通するところもあるので、スロースタートで徐々に慣れていきつつも次第に激務に変わっていき、結果2005年はPROGRESSIVE FOrMレーベルとしてはリリース０という形になりました。

さて話しを戻します。

この2004年、前回のN.9で触れたdaisyworld discsとの共同イベント「audio forma」の２回目を開催しました。
2003年に開催した１回目の内容は以下です。

出演は9月12日(金) #1 -experiment- ＠六本木super deluxeが
Sketch Show（daisyworld discs）
AOKI takamasa（PROGRESSIVE FOrM）
Ryoichi Kurokawa（daisyworld discs/PROGRESSIVE FOrM）
fonica（PLOP/TOMLAB）
miroque（cacha*mai/360°records）
Hirotaka Iwatsuki（telek）
https://super-deluxe.com/events/20030912/

9月14日(日) #2 -complex- ＠青山cayが
Sketch Show（daisyworld discs）
eater（daisyworld discs/PROGRESSIVE FOrM）
Yoshihiro Hanno（Cirque/PROGRESSIVE FOrM）＋Yuki Kawamura
AOKI takamasa（PROGRESSIVE FOrM）＋Ryoichi Kurokawa（daisyworld discs/PROGRESSIVE FOrM）
Nao Tokui（PROGRESSIVE FOrM）
Hair Stylistics（daisyworld discs）
Taeji Sawai（portable[k]ommunity）
godibop（Third-ear）
mugison（Lifelike）

この2004年、いきさつなどは全く覚えてないものの、当時ドイツ文化センター（Goethe-Institut／ゲーテ∙インスティトゥート）の担当者と交流があった関係から、ゲーテが協賛をするので、ドイツのアーティストを招聘してイベントを企画してもらえないか、という内容でした。
そこで上述の東さんに相談し、特に幸宏さんの事務所の方々とも連携を取りつつ、「audio forma」の２回目を開催出来る事になりました。
タイトルは audio forma presents「BERLIN ELECTRONIC MODERN」。
朧げに、テイさんの「Last Century Modern」の響きに真似てネーミングした記憶です。

2004年5月30日(日) 東京＠青山 Restaurant CAY
2004年6月 1日(火) 京都＠ドイツ文化センター
2004年6月 2日(水) 大阪＠大阪ブリッジ

本３公演は会場確認～押さえ、ほとんどのブッキングなど、全て僕が仕切った公演として開催。

ただ残念な事に、このaudio forma presents「BERLIN ELECTRONIC MODERN」のみどこをどう探してもフライヤー以外の資料が一向に見当たらず、唯一の資料とも言えるのが、下記URLのみです。
http://www.mryt.com/live/2004_ss3.html

ドイツからはChristian Kleine、Rechenzentrum、Static、Herrmann & Kleineの４組を招聘。

日本人ではSketch Show、AOKI takamasa、Yoshihiro Hannoは全３公演に、東京、京都、大阪ではそれぞれその地を拠点に活動しているレーベルとの関係が強かったアーティストをブッキングしましたが、極一部しか覚えておりません。
例えば京都では糸魚健一さんのPsysEx、大阪ではeater（daisyworld discs/PROGRESSIVE FOrM）は参加。
上記URLでも名前が掲載されている通り、Ryoichi Kurokawa（daisyworld discs/PROGRESSIVE FOrM）はSketch ShowのVJとして参加。