2025年、回復という産業の“土台”を、誰にも気づかれない場所でつくっていた

振り返ってみると、
2025年は「成果を語る年」ではなかったように思います。

むしろ私にとっては、
次の10年を成立させるための土台を、音も立てずに組み直していた一年でした。

眠り。
音。
身体。
データ。
医療。

一見すると、どれも別の領域に見えるものばかりです。
けれど実際に向き合ってみると、これらはすべて
「人が回復しながら、生き続けられる社会をどう設計するか」
という一本の問いに、静かにつながっていました。

私は今年、その回路を、ひたすら結び直していました。


派手な発表は、正直あまりありませんでした。
分かりやすい数字や成果を前に出す場面も、少なかったと思います。

けれど水面下では、
プロダクトの設計が変わり、
思想の言葉が磨かれ、
技術の使い方が定まり、
現場との距離感が変わり、
そして「一緒にやる人たち」との関係性が、少しずつ深まっていきました。

どれも地味で、時間のかかる作業です。
ただ、この工程を飛ばすと、回復は産業にならない。
私はそう確信しています。


今年、私が個人的に続けていたことがあります。

株式会社壱番屋(カレーハウスCoCo壱番屋)の創業者・宗次さんが
毎朝、近所のゴミを拾い続けているという話を知り、
それをそのまま真似してみました。

特別な意味づけはしませんでした。
誰に見せるわけでもなく、
評価されることもなく、
ただ淡々と、一年間。

やってみて分かったのは、
回復とは、目立つ行為ではなく、続いている行為の中に宿る
ということでした。

街は少しずつきれいになり、
自分の足取りも、どこか落ち着いていく。
この感覚は、私が取り組んでいる事業と、驚くほどよく似ていました。


回復は、決して一人では完結しません。
人と人の間に生まれ、
環境の中で育ち、
時間をかけて、ようやく形になります。

今年一年、支えてくださった皆さまには、
心から感謝しています。

来年は、これまで積み上げてきた構想が、
いよいよ社会の中で、実際に動き始める年になります。

静かに、しかし確実に。
どうぞ、よい年末年始をお迎えください。

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この記事を書いた人

眠りと瞑想のための癒やしサウンド&コンテンツ、プロダクトを制作、ECショップ運営。また癒やし空間スペースを展開。またヒーリング・ブランド「RELAX WORLD」のプロデューサー。株式会社クロアの代表取締役。坂本龍一、アート・リンゼイ、大貫妙子、高橋幸宏、CHARA、キリンジなどをゲストに迎えたソロアルバムを発表。

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