INDOPEPSHYCHICSから紡がれた日本のエレクトロニック・ミュージックの一端 No.28「2012~2013年にリリースされた必聴アルバム5選 [後編]~Serph・no.9・Towa Tei・青葉市子と妖精たち・haruka nakamura~」

前回の連載27回目では「2012~2013年にリリースされた必聴アルバム5選 [前編]~渋谷 慶一郎・Flying Lotus・坂本龍一・柏大輔・Matryoshka~」とし、2012年にリリースされた今改めて聴き直したい上質なアルバムをリリース日順に紹介しました。

1)2012年4月25日リリース Keiichiro Shibuya「Soundtrack For Memories Of Origin Hiroshi Sugimoto」(ATAK/ATAK018)

2)2012年9月26日リリース Flying Lotus「Until The Quiet Comes」(Warp Records/WARPCD230)

3)2012年10月17日リリース Ryuichi Sakamoto「Three」(Commmons/RZCM-59189)

4)2012年11月24日リリース Kashiwa Daisuke「Re:」(Virgin Babylon Records/VBR-011)

5)2012年12月12日リリース Matryoshka「Laideronnette」(Virgin Babylon Records/VBR-012)

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なおこれまでアニュアリーに焦点を当てたのは上述No.27以外には4回で、2008年から2011年。

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1)2013年3月15日リリース Serph「El Esperanka」(noble/NBL-207)

https://www.discogs.com/ja/release/5049178-Serph-El-Esperanka

本連載の上述No.24での「Vent」(noble/CXCA-1271)、No.25での「Heartstrings」(noble/NBL-201)に続くSerphの4枚目のフルアルバム「El Esperanka」。私的に「Vent」(2010)~「Heartstrings」(2011)~「El Esperanka」(2013)はこの時期におけるSerphの3部作のような気にも感じられます。

 

なお「Heartstrings」(2011)と「El Esperanka」(2013)の間には、2011年11月18日にリリースされたクリスマス・ミニ・アルバム「Winter Alchemy」及び2012年8月9日に本連載でも何度か触れたネット・レーベルBunkai-Kei RecordsよりN-Qia名義でのアルバム「Audio Illustrations」(Bunkai-Kei Records/BK-K 030)をリリースしています。

Serph「Winter Alchemy」(noble/NBL-205)

01. noel

02. straat

03. twinkler

04. alchemy

05. VALIS

06. lumina

07. above

左のジャケ写 https://www.discogs.com/ja/master/1954849-Serph-Winter-Alchemy

 

N-Qia「Audio Illustrations」(Bunkai-Kei Records/BK-K 030) 右のジャケ写

01. two dreamers

02. earth

03. fearless

04. lost

05. paris

06. gratitude

07. outertake (Valance Drakes aka MusSck Remix)

08. lost (Go-qualia in the beginning-mix)

09. earth (world’s end girlfriend REMIX)

https://www.discogs.com/ja/release/3793200-N-Qia-Audio-Illustrations

さてこのSerphの4thアルバム「El Esperanka」は引き続き絶好調期のアルバムで、前作「Heartstrings」で鳴らした音の理想郷から二年、魔法仕掛けの電子音楽家Serph (サーフ)が辿り着いた新地平としてユートピアのその先の景色を描く新たな作品。

ライブ活動を一切行わず、プロフィールも謎のまま、突然変異的に世に現れた異色の音楽家Serph。

 

過去二作品が記録した驚異的なセールスで一躍電子音楽界の寵児へと躍り出た後も、クリスマス・ミニアルバムのリリースや、より先鋭的でダンス・ミュージックに特化した新プロジェクトReliqでの作品発表など、その創作意欲は溢れんばかり。ジャズ、テクノ、クラシック、映画音楽、プログレなど、多彩な音楽的要素を取り込み、美しいメロディーやハーモニーと共に一曲の中で有機的に次々と展開していく、もはやSerph節とも言えるそのスタイルは今作において洗練を極め、童話めいたドリーミーな世界観はより奥深く幻想的に。

結果、Serphのより変則的な未知だった側面もかいま見える、これまで以上に自由で光の量が増したポジティブな一枚に。タイトルである「el esperanka (エル・エスペランカ)」はスペイン語で希望を意味する「esperanca (エスペランサ)」からの造語。ユートピアのその先でSerphが奏でる「新たな希望」の物語。

リスナーのイマジネーションを掻き立てる、夢見る人へのサウンドトラック。

Serph “el esperanka” Trailer 

01. twiste

02. magicalpath

03. session

04. vesta

05. parade

06. shift

07. ankh

08. wizardmix

09. felixz

10. curve

11. vitt

12. rem

13. crystalize

M3 session 

 

M4 vesta 計算されつつ一歩引いた感じのテイストは私的に好きです。

 

M10 curve 珍しくマイナー調をモチーフとしつつ大胆な構成で組み立てられた意欲作であるかのよう。

Serph

東京在住の男性によるソロ・プロジェクト。

2009年7月、ピアノと作曲を始めてわずか3年で完成させたアルバム『accidental tourist』をelegant discよりリリース。2010年7月に2ndアルバム『vent』、2011年4月には3rdアルバム『Heartstrings』、11月にはクリスマス・ミニ・アルバム『Winter Alchemy』を、それぞれnobleよりリリース。

2013年3月に4thアルバム『el esperanka』をnobleよりリリース予定。より先鋭的でダンスミュージックに特化した別プロジェクト、Reliq(レリク)でも一枚アルバムを発表している。

 

 

2)2013年7月4日リリース no.9「History Of The Day」(Liquid Note Records/LNR018)

https://www.discogs.com/ja/release/4886687-No9-History-Of-The-Day

城(隆之)さんのソロ・プロジェクトno.9は本連載でも何度か触れさせて頂きました。

本連載No.15「エレクトロニカとフォークトロニカ~蓮沼執太・flauとaus~no.9~」での2007年3月15日にリリースされたno.9「Good Morning」(Liquid Note Records/LNR001)

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「音と共に暮らす」をコンセプトにしたno.9のアルバム「The History of the Day」は、2009年9月9日にリリースされた「9-9-9-9-9」から約3年半の制作期間を経てリリースされた通算7作目となるスタジオ・アルバム。

美しくどこか懐かしいメロディーで日々の情景を描き出し、15曲70分以上にわたる長編で深化した世界観を提示、no.9の代表作とも位置付けされる作品で、ジャケットのアートワークに漂うどこか崇高な世界観からは、長き年月を経て到達したno.9の新たな境地が想起されるだろう。

no.9 7th album [ The History of the Day ] 音の深み含めた説得力はお手の物ですね⭐︎

◆またharuka nakamura、paniyolo (SCHOLE)、青葉聡希 (number0)、伊藤智也 (no.9 orchestra)、chiyo (köttur)など、多彩な新進気鋭のアーティストたちとの共同作曲を通じてこれまで以上に多彩なサウンドメイクが行われた事をはじめ、no.9初となるボーカル曲にも挑戦している。

M2 [ The History of the Day / Short version ] Music Video 

01 inside outside feat. Tomoya Ito
02 The History of the Day
03 whisper of rain feat. paniyolo
04 there feat. haruka nakamura
05 small promise
06 fairground spring #02
07 balance
08 flat point
09 before the wind feat. chiyo
10 a picture on the wall feat. 青葉聡希
11 source of harmonics
12 imagine fun
13 remember
14 softly song to you
15 Hello feat. Tomoya Ito

 

M3  Whisper of Rain 城さんらしく響きが優しく個人的にも好きな曲⭐︎

 

M4 there feat. haruka nakamura イメージ通りだけどその清々しさに素直にやられる。

 

M8  Flat Point 大人のrelaxin’

 

 

3)2013年7月10日リリース Towa Tei「Lucky」(Warner Music Japan/WPCL-11516、Mach/MB01-2013) https://www.discogs.com/ja/master/941655-Towa-Tei-Lucky

テイさん(TOWA TEI/テイ・トウワ)7枚目のオリジナル・アルバム「LUCKY」は、2005年の「FLASH」(No.12)、2009年の「BIG FUN」(No.17)、前作2011年の「SUNNY」(No.25)の3部作に続く、軽快でポップな感触を継承しつつ、より開放的でラッキーな気分になるような快適な極上のポップセンスが散りばめられた心地良いアルバム。

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◆キャリア初となる全曲の作詞・作曲・編曲を自身で手掛けたセルフプロデュース作品であり、パーソナルな感覚や、移動中などにPCで制作されたような自由で軽やかなムードが反映されています。

“RADIO” TOWA TEI WITH YUKIHIRO TAKAHASHI & TINA TAMASHIRO らしいTOWA TEI品質!

◆椎名林檎、シュガー吉永 (Buffalo Daughter)、バクバクドキン、YMOの3人(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏)、浜野謙太(在日ファンク、SAKEROCK)、Dorian、Predawn、手嶌葵、玉城ティナ、中田絢千など、多彩なアーティストが参加。

“APPLE” TOWA TEI feat. SHEENA RINGO ( MV with Gemini ) テイさんのアート感を全面に打ち出した歴史に刻むひと時。

◆ジャケットのアートワークは今作で音楽ジャケットを初めて手がける、日本を代表する芸術家・草間彌生が描き下ろした水玉アートワークを採用、音楽ジャケットとしても大きな話題に。

 

01. RADIO feat. 高橋幸宏 & 玉城ティナ

02. BLUE FOR GIRLS, PINK FOR BOYS

03. ABBESSES feat. 中田絢千

04. KATABURI

05. LICHT

06. TERIMA KASIH

07. JUXTAPOSE

08. APPLE feat. 椎名林檎

09. WARM JETS

10. GENIUS feat. 手嶌葵

11. LOVE FOREVER

ABBESSES feat. 中田絢千 あくまで僕視点です、進化したテイさんの大人な纏め方にグッと来る。

 

BLUE FOR GIRLS, PINK FOR BOYS めっちゃ良質なサウンド⭐︎

 

あくまで私観だけど、テイさんが楽しんで音に向き合っている感じを、4年半時間を共にした感覚として肌身で感じるニュアンス。

 

GENIUS feat. 手嶌葵 いやらしいな、テイ・トウワ(めっちゃリスペクトの意を込め)

NEXT STAGE TOWA TEI! 流石です(すっきりした感じを覚えます)

やっぱコレ!  Luv Connection [SESSION] – Towa Tei & Ryuichi Sakamoto feat. Vivian Sessoms 

 

 

4)2013年8月7日リリース 青葉市子と妖精たち「ラヂヲ」(Commmons/RZCM-59411) 

https://www.discogs.com/ja/release/4798539-青葉市子と妖精たち-ラヂヲ

2010年にデビューしたシンガー/ギタリスト、青葉市子の通算4枚目となるオリジナル・アルバム。

魅力的な歌声と驚くべき演奏力、卓越したソングライティング能力を兼ね備えた彼女に、坂本龍一、細野晴臣、小山田圭吾、U-zhaanという豪華ゲスト陣が加わり制作した作品。

これは2013年1月1日にOAされたNHK-FMの「坂本龍一 ニューイヤー・スペシャル」 で、青葉市子が坂本龍一・細野晴臣・小山田圭吾・U-zhaanを迎えて行われた一発録りのスタジオ・セッション音源で、番組オンエア後にパッケージ化の問い合わせが殺到し、CD用に改めてミックスされリリース。

 

細野さん、坂本さん、小山田さん、ユザーンさんと、ラジオの為にせーので録音された音源です。

音が産まれ、育ち、水辺へ運ばれ、満ち満ちていくのが、妖精たちとオアシスで遊んでいるようでした。

青葉市子  https://commmonsmart.com/products/rzcm-59411

Aoba Ichiko To Youseitachi(青葉市子と妖精たち)

妖精たちは、坂本龍一、小山田圭吾(コーネリアス)、U-Zhaan (ex.ASA-CHANG&巡礼)、細野晴臣で、NHK-FMのニューイヤーコンサート番組で青葉市子と生セッションを行う。

https://www.discogs.com/ja/artist/6648672-Aoba-Ichiko-To-Youseitachi

 

01. IMPERIAL SMOKE TOWN

02. Mars 2027

03. Star Fruits Surf Rider

04. 日時計

05. 不和リン

06. レースのむこう

07. 重たい睫毛

08. 奇跡はいつでも

09. 悲しみのラッキースター

10. Smile

 

01. IMPERIAL SMOKE TOWN(青葉市子「うたびこ」2012)

02. Mars 2027(青葉市子「0」2013)

03. Star Fruits Surf Rider(Cornelius「Fantasma」1997)

04. 日時計(青葉市子「檻髪」2011)

05. 不和リン(青葉市子「剃刀乙女」2010)

06. レースのむこう(青葉市子「檻髪」2011)

07. 重たい睫毛(青葉市子「剃刀乙女」2010)

08. 奇跡はいつでも(青葉市子「うたびこ」2012)

09. 悲しみのラッキースター(細野晴臣「HoSoNoVa」2011)

10. Smile(スタンダード・ナンバー)

※10「1936年公開のCharlie Chaplin監督映画「モダン・タイムス」のテーマ曲としてチャップリン自身が作曲したインストゥルメンタル曲(原題:Smile)、1954年に歌詞が付けられ、ナット・キング・コールなどのカバーで世界的なスタンダードナンバーとなった。」

STAR FRUITS SURF RIDER(from 青葉市子と妖精たち「ラヂヲ」)

 

Cornelius – Star Fruits Surf Rider [HD] 

 

不和リン(from 青葉市子と妖精たち「ラヂヲ」)

 

不和リン – remastered 

 

細野晴臣 悲しみのラッキースター 

 

青葉市子 悲しみのラッキースター(細野晴臣)

 

Smile(from 青葉市子と妖精たち「ラヂヲ」)

 

Nat King Cole “Smile” (1954) 

Charles Chaplin 映画「モダン・タイムス」 スマイル ” Smile ” from Modern Times https://www.youtube.com/watch?v=oF-td6nbvrY

 

 

5)2013年9月6日リリース Haruka Nakamura「Melodica」(Hyde Out Productions/HPD14)

https://www.discogs.com/ja/release/4886261-Haruka-Nakamura-Melodica

本連載No.24の 「2010~2011年にリリースされた必聴アルバム5選 [前編] ~Serph・haruka nakamura・pupa・world’s end girlfriend・大貫妙子&坂本龍一~」でも2010年7月リリースの「Twilight」(Kitchen. Label/AMIP-0005)で触れさせて頂いたHaruka Nakamura君。

Haruka君は2010年頃にイベントでたまに会ったりと、一般的にはアコースティック・サウンドのイメージが強いのと同時に、2008年から始まった瀬葉君こと故・Nujabes氏との共同楽曲制作でも知られるように、ビート・ミュージックへの造詣もあったので私的に心地良く軽やかな印象があります。

直接的には2度、本連載No.19で紹介した2010/8/22(Sun)にEATS and MEETS Cay (Spiral B1F/青山)で開催した「PROGRESSIVE FOrM presents New Sounds of Tokyo Vol.6」にkadan / haruka nakamuraとして出演してもらった事と、2010年10月にリリースしたChisato Ohori「toanowa」PFCD22に素敵なコメントを寄せてくれました。

【haruka nakamuraによるコメント】とても久しぶりに再会した友人のような、暖かな音楽。聴いていて自然と笑みがこぼれた。共感と嬉しさで。 10曲目「akuruhi」が本当に素晴らしくて。この世界に光を与えてくれる。アルバムとしても1本の名作を観終えたような幸福感。いつまでも終わり無く、繰り返し聴いている。

「toanowa」PFCD22 https://www.discogs.com/ja/release/3258139-Chisato-Ohori-Toanowa

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その2010年、2月7日に36歳を迎えてまだこれからという時、Nujabesこと瀬葉君が2月26日に交通事故のため死去。

インドープの頃、1998~1999年頃だと思う、当時渋谷HARLEMでKensei君 (DJ Kensei) とマスター (DJ MASTERKEY/BUDDHA BRAND) を中心に1997年のオープンから毎週金曜のレギュラーイベントとしてスタートした「DADDY’S HOUSE」に絡み、ハーレムから派生したレーベルDimid RecordingsのA&R竹内君の繋がりから、Nujabesこと瀬葉(淳)君が1995年にオープンさせたGUINNESS RECORDSと、Tribe Recordsにも足を運ぶようになり、静かな佇まいで店にいた彼を朧げに覚えています。

瀬葉君のPark Avenue Studioにも何で行ったかは全く記憶にないものの一度伺った事があります。

もう16年経ちますね、改めて哀悼の意を捧げます。

ジャズやソウルを基調とした繊細なビートで世界的に評価される音楽プロデューサー/DJであり、現在のLo-fi Hip Hopの先駆者としても知られるNujabes。その音楽は国境を超えて今後も愛され続けるでしょう。

瀬葉君と共同楽曲制作をしていたHaruka君は尚更の事と察します。

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この「Melodica」(Hyde Out Productions/HPD14)は、2008年5月2日に小瀬村晶さんのScholeレーベルよりリリースされた「grace」(SCH-004)、上述の2010年7月にリリースされた「twilight」に続く3部作の最終章として、1999年にNujabesが立ち上げたインディペンデントレーベル「Hydeout Productions」より2013年9月にリリース 。

Haruka Nakamura「Grace」https://www.discogs.comja/release/1375148-Haruka-Nakamura-Grace

  

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haruka nakamuraの郷愁的な旋律にNujabesのビートが出逢った最初で最後のアルバム作品

M1 Lamp feat.Nujabes 

haruka nakamuraの3年ぶりの新作にして3部作完結作品、「MELODICA」。

前作「twilight」はその美しい装丁と共に反響を呼び、iTunes「今週のシングル」に選出された。1st Album「grace」に加え「afterglow」がロングセラーを続ける中で発表された作品。

このアルバムは今を遡ること5年、haruka nakamura の1st Album 発表以前からNujabes と共に、彼のスタジオで二人きりで制作が開始された渾身の作品集。

Nujabes がfeat.でビート、フルートなどで参加した、今となっては稀少な2つの楽曲から、Nujabes自身がmixなどを施した未発表楽曲郡まで、聞き逃せない曲がずらりと並んでいる。

Uyama Hiroto、Pace Rock、Cise Starr、Substantial などhydeout 最重要アーティスト達も参加。

さらにshing02と共に再構築した、名曲「Luv sic pt.2」のアコースティックバージョンは、心ゆさぶる感動的な一曲に昇華されている。ARAKI Shin、Janis Crunch など、haruka nakamura 作品では馴染み深いアーティストも顔を揃えた。まさにこれまでの軌跡の全てが詰まった作品となっている。

今作品は、一貫して「日々の暮れ」をテーマにアルバム作品を発表し続けてきた彼の1st「grace」2nd「twilight」に続く3部作完結編となる。アートワークもhydeoutで数々の作品を手掛けてきたFJD が担当。

 

01. Lamp feat. Nujabes

02. AURORA

03. soar feat. Substantial

04. days

05. the sun feat. Cise Starr

06. MELODICA feat. ARAKI Shin

07. enzo

08. Luv(sic)pt2 – Acoustica – feat. Shing02

09. delight

10. fragrance like home feat. Pase Rock

11. SUNSET LINE feat. Uyama Hiroto

12. let go feat. Nujabes

M3 soar feat. Substantial

 

M5 the sun feat. Cise Starr

 

M6 MELODICA feat. ARAKI Shin

 

M8 Luv(sic)pt2 – Acoustica – feat. Shing02

 

 

nujabesというアーティストがいた。昔からとても尊敬し、憧れていた。

部屋で一人、サンプラーで音楽を作り続けていた20代前半の頃、彼は僕のヒーローだった。

あの時代、東京という街が彼の音楽でダンスしていたように思う。

そのヒーローから直接メールをもらい、共に鎌倉の彼の家のプライベート・スタジオで二人で音楽制作をする夢のような日々が始まるとは。毎週、鎌倉に電車で訪れ、たくさんのセッションをした。夕暮れには車で江ノ島まで海岸線をドライブして、たくさんの音楽を聴いた。逗子で夕食を食べ、たくさんの話をした。

そして、その日々が二年ほど過ぎた頃、彼は空に旅立つことになる。

 

「lamp」という曲を作った時のことをよく覚えている。

MELODICAは純粋にはソロアルバムではなく、nujabesさんや彼の親しい仲間たちと作った、あの音楽を残すためのアルバムだった。物語を知らない方からは、grace、twilightの次にこのアルバムがリリースされたことで、音楽性の変化に驚かれたはずだ。無理もない。

けれど僕は元々、ヒップホップやビートのあるインスト曲をサンプラーで作っていた時代が音楽表現のルーツにあり、そのサンプリング、ループの手法がgraceのサウンドへと繋がっていった。

そして、これは「やむにやまれず、作るしかなかった」アルバムなのだ。

この作品を越えていかなければ、そしてここから別の新しい音楽に向かっていかなければ、僕の音楽はここで終わっていた。10年経った今でも、そう思う。

 

ジャケットもこの作品だけはnujabes作品を手掛けるデザイナー・藤田さんに描いてもらい、nujabesのレーベル”hydeout”からリリースした。この物語を踏まえて、静かな音楽のみを扱う「雨と休日」が特別に取り扱ってくれたこと、今でも心から感謝している。アルバムの代表曲「lamp」はその後、僕の背中を押し続けてくれた。

MVは、彼が居なくなった鎌倉の自宅スタジオと、由比ヶ浜の海で撮影した。

lampはのちに12インチ・アナログレコードとして発売され、現在は完売している。

haruka nakamura

M12 let go feat. Nujabes

 

【MV】灯星 / haruka nakamura + suis from ヨルシ

 

2026/03/25 nik c/o PROGRESSIVE FOrM

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この記事を書いた人

東京出身。PROGRESSIVE FOrMレーベル主宰/エージェントなど。
訪問した国は南北アメリカ大陸10カ国、ヨーロッパ8カ国、アジア圏3カ国。
1993年にDJ Kenseiと、1994年に土井さん(後のD.O.I. ※D.O.I.という書き方は僕が提案)と出会い、1995年に音楽プロデュースユニットINDOPEPSYCHICS(インドープサイキックス)結成。
1996年のキングギドラ「行方不明」のリミックスを皮切りに、SHAKKAZOMBIE「手のひらを太陽に〜ACROSS THE 20 MIX〜」他の多くのHip Hop作品から、Sunaga T Experience「Gemini IV / V Space Nova!」、UNKLE「THE KNOCK (INDOPEPSYCHICS REMIX)」などインスト作品なども幅広く手掛けつつ、2000年にPROGRESSIVE FOrMを立ち上げる。
DJ Kenseiとも繋がりが深かった京都のDJ Kazumaから新しい才能と京都外国語大学で活動していた青木 孝允(AOKI takamasa)と高木正勝によるユニット<SILICOM>と出会い、2001年にPROGRESSIVE FOrMよりAOKI takamasa 1stアルバム「SILICOM」とSILICOM「SILICOM」DVDをリリース。
2002年にはINDOPEPSYCHICSのHip Hopやビート主体の初期作品「Meckish / Nittioatta.Nittionio」とエレクトロニカなど後期作品をまとめた「Leiwand」をリリース。
移行、半野喜弘、杉本佳一によりVegpher、Fugenn & The White Elephantsなど才能溢れるアーティストの作品をリリース。
2002年6月にバルセロナsonarにてレーベル・ショーケース、11月に六本木ヒルズTHINK ZONEにて初のレーベル・イヴェント"Voyage"を開催。2003〜2004年にはDaisyworld Discsとイヴェント"audio forma"を開催、2004/2006年にsonarsound tokyoを共同開催。
2011年6月にレーベル10周年イベントを恵比寿LIQUIDROOMで開催し1000名を超える集客を記録。
そして2020年10月にレーベルとして100枚目のアルバムninomiya tatsuki『scat』PFCD100をリリース。
2024年9月18日に2000年代以降の電子音響を支えて来た1人と言えるTAEJI Sawai唯一のアルバム「AS PLANETARY DREAMS」PFCD112をリリース。


2004〜2008年はフルでTOWA TEIのマネージャーを担当。
2013〜2015年には「EMAF TOKYO」を主宰、ヤン富田、Fennesz、Carsten Nicolaiをはじめ数多くのアーティストを招聘。
細野晴臣氏のマネージャーを長く務められた故東氏が主催された「De La FANTASIA」ではcyclo.-Ryoji Ikeda+Carsten Nicolai-やTOWA TEI他をブッキング。
2014年12月のLIQUIDROOM公演でJamie xxを招聘、2015年9月にFenneszの代官山UNIT公演を主催。


Bajune Tobetaのエージェントとしても数多くの作品に関わり、2010年1月13日に発売されたのアルバム「Africna Mode」では多くの楽曲の制作をサポート、2015年の「TOKYO GALAXY」ではArto Lindsayをブッキング、2021年9月にリリースされたbajune Tobeta「すばらしい新世界 〜RELAX WORLD〜」ではChara、Mummy-D、堂珍嘉邦(CHEMISTRY)、坂本龍一によるアントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュート盤「CASA」で共演しジョビンのバックを務めていたモレレンバウン夫妻をブッキング。

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